2008年 北海道→大阪…ローカル線の旅 第6夜
朝、青森を出てからどれくらいたったのだろうか…
僕は岩手県にある遠野という町に向かっていた。
遠野といえば、遠野物語や河童で有名な民族伝承がそのまま残った町。
ヨーロッパ風に言えば『メルヘン』な町なのだ。
なぜ僕が、この町を目指したかは、Oさんが『いい町だ、いい町だ』としつこく
言うからである。
どれくらいいい町なのか、この目で確かめようと思い、足を踏み入れようと思っ
たのだ。
そして午後2時半、遠野に到着した。
駅の横で自転車を借り、係りのお姉さんから地図をもらい、有名な河童淵へ行く
。
河童淵まで行く途中、映画となりのトトロでしか見たことがない・・・風景が広がっていった。
『ここなら河童がいても不思議じゃないなぁ〜。』
まだどこも見ていない回らないうちに、遠野はいい所だと感じた。
なぜか落ち着く。
なんか昔の僕の町と重なる何かがある。今は住宅地が増えてしまった僕の町だが昔は遠野のような町だったような気がする。
『遠野は日本の原風景を今に残したような町なのかもしれないな。』
そうこう思ってるうちに、河童淵に到着。
河童が流れてくるわけでもなく、のんびりと過ごしていたが、時間を見てゾッと
した。
もうすでに夕方5時を回っている。
みんなも知っているだろうが…僕は明後日の昼1時の東京の味の素スタジアムにいなければならない。
どう考えても今日中には仙台あたりに着いておきたい。
そう考え、急いで遠野駅へ向かい、『さらば遠野!!!また必ず来るからなぁ〜〜〜』と心の中で思いながら、別れ惜しみつつ花巻行きの電車の飛び乗った。
花巻で乗換え、仙台へ向かうつもりだったが、ここから3時間も電車に乗る力が僕には残されていなかった…。約10分で北上駅で下車し、北上で宿を取ることにした。