欧州卒業旅行…史上最悪の9日間 第6夜
アムステルダムからパリ北駅に到着して、ホテルへ向かうことにする。
今回宿泊するホテルはRERのB線、Chartelet Les Halls駅のすぐ近く。ルーブル美術館も徒歩圏内の日本人経営ホテル。ホテルはかなり手狭でキレイとは言えない造りだったが、事前に下調べができていなかったので日本人オーナーにオススメの観光地を聞こうという思いから、このホテルに宿泊することになった。
(パリは半年前にサークルの先輩とある程度見て回ったので、行きたい所へはすでに行ってしまっているし…正直、行くところに困っていた)
荷物を置いてオーナーに凱旋門の中に入れるといった情報など得て、いざ出発・・・
あっ・・・・僕は完全に忘れていた。同行人がいることを・・・。
一昨日、昨日と僕が行きたい所へ行きまくっていたので…
僕の後ろを雛鳥のように付いてくるだけで、話しかけても気の利いた返事をする訳でもない同行人がいても気にならなかったが・・・
今日はとても気になるっていうか気に障る。
たぶん、この同行人はどこの駅で降りればいいか、どの道をいけばいいかというの何一つ考えてない。
僕は悪い人間なので凱旋門を見終わった後、少しフェイントをかけてみる。
ホテルがあるChartelet Les Halls駅に着いた時、わざど気付かないふりをして様子を見てみた。少しでも主体的に動く気があれば「降りる駅やで」とか「ホテルのある駅違う?」とか聞いてくるはず・・・
同行人はドアが開いたがぼーっと突っ立ている。
「駄目だこりゃ」
僕の中で何かが吹っ切れてしまった。
明日は別行動しよう。