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海外調査研究部元部長の旅行記。旅先ははじめにをごらんください。

2010年 中国の旅 第1夜

8月1日

毎年、合宿では僕は関空の集合場所に一人さびしく到着するのが恒例だ。だいたい、うちの部員は時間通りに来ることの方が珍しい。っていうか無い。

今回も一人さびしく到着すると間もなくN君がやって来た。

約5か月ぶりに見るN君は大した変化はなく、いつも通りのテンションの低い口調で息継ぎなしに『おひさしぶりです村長』と学生時代に部室で何度も聞いたフレーズを発してくれた。

それを聞くと学生時代と何も変わってなくて、少し安心してしまい…僕は『お久しぶりです』と気の利いた返しもできず普通の返事で返した。
まだ集合時間まで少し時間があり『ほんま久しぶりやんな〜。え~いつ以来やっけ?5か月ぶり?あれ、そうやっけ?』いつもよくやる《久しぶりトーク》でトークネタを探し続けながら、部員現れるのを待った。


次に部長、初めて会う1回生のMくん、Sくんも集合場所に到着。
それから少し遅れ気味にNさんが到着して全員が集合。

いよいよ2010年のサークルが合宿がスタートすると思いきや…
チェックイン終了後…うちのサークルおなじみの『搭乗口集合で!』と言って一旦解散する



保安検査も無事終わり搭乗口に到着。あたりを見回すと、みんな搭乗口に来ているようだ。部長は仲の良いNさんと何やら話しをしている様子。
N君は…えーと影が薄いから見つからない。と思ったら隣にキャラの濃い1回生M君がいたのでギリギリわかった。
なんだがM君が一方的に仲上くんに話かけている。弱冠、迷惑そうだ。



飛行機の搭乗時間になり、飛行機に乗り込む。
今回乗る飛行機は中国東方航空の青島経由北京行という経由便だ。
これまで多くの飛行機に乗ってきたが経由便ていうのは未経験だったりする。
理由は簡単。海外の乗り換えほど危険な事はないからだ。飛行機が遅れた場合とか考えると到底、乗れない。


ただ今回、部長が値段を切り詰めた結果、北京3泊4日2万円台という驚きの値段だからしょうがない。


飛行機は無事、飛び立ち1時間半後、青島国際空港に到着した。



飛行機の窓から外をのぞくと視界が100メートルもないんじゃないだろうかという酷いスモッグに覆われている。噂でスモッグが酷いとは聞いていたがここまで酷いとは・・・僕は完全に中国を侮っていた。この国では日本の常識が通用しないことを再確認し飛行機を一旦降りる。



飛行機を降りると出口のところで空港職員の人たちが緑色のタグを配っていた。一瞬なんだろうと思ったが、まわりの雰囲気から察するに経由便の乗客が目印に貰うタグのようだ。緑色のタグをもらった団体は入国審査を通り、再び飛行機に戻るために手荷物検査場に並ばされた。


僕らグループは列の最後方に陣取り並んでいると、部長とNさんがトイレへ行くと言って列を離れていった。しばらくすると係りのお姉さんが、先ほど貰った緑色のタグを回収しにやってきた。

M君、N君、S君と順番にタグを渡し、僕も渡すとお姉さんの顔が曇った。
乗り継ぎの人数とタグの数がどうやら合わないらしい。

そりゃそうだ。

部長とNさんがトイレに行って、いないのだから・・・
しょうがないので僕のフルパワーの英語で説明する。

僕『アフター トゥーパーソン カミング』

お姉さん『・・・・・・OK』

どうやら通じたようだ。

そんな困った状況の中、N君もトイレへ行くと言って列を離れた。
こっちはお姉さんに必死で状況を説明しているのにトイレへ行くとは薄情な奴だ。

お姉さんは流ちょうな英語を続ける。

お姉さん『How Ma……par…op?』

やばい。全く何言ってるかわからん。
でも、なんとなく雰囲気でお前らグループか?何人だ?って言われてる気がしたので…

『シックス…』となんとなく答える

お姉さん『OK…OK』
またしても奇跡的に通じたようだ。


そうこうしているうちに部長とNさんが帰ってきた。
お姉さんにタグを渡すと、やっとタグの数が揃ったのか、お姉さんの顔に笑顔が戻った。

とその瞬間、招かれざる客がトイレの方から足音もたてずやって来た。

N君だ。

お姉さんの顔から再び笑顔が消えた。

N君が現れたことによってタグの数が合わなくなったのだ。
すかさず、お姉さんはN君に詰め寄り、タグはどうした?と問いただすが、N君は全く状況を理解できずに『私、英語わかりませーん!』みたいな顔をしてはぐらかして拉致が明かない。

なぜかN君はタグを持ってないらしい。飛行機降りるときに、みんな貰ったのに何で持ったないんだ?

んんん、いや待てよ

何行か前に戻ってほしい。
『しばらくすると係りのお姉さんが、先ほど貰った緑色のタグを回収しにやってきた。M君、N君、S君と順番にタグを渡し、僕も渡すとお姉さんの顔が曇った。』

・・・。

あっ渡してたんだった。


お姉さんは影の薄いNくんの存在を忘れてしまってたようだ。
とりあえずお姉さんにさっき、渡しましたよってジェスチャーで伝えると『OK』と言ってどこかへ行ってしまった。

無事、手荷物検査を終えて、さっき降りた飛行機の全く同じ席に戻る。
ここからは中国国内線扱いらしく周りは中国人だらけだ。


中国で飛行機に乗る人はお金持ちばかりというイメージだが周りを見渡しても、そんな感じの人はいない。

田舎から出てきましたよっていう人ばかりだ。飛行機の運賃が安いのか、田舎から出てきた中国人は金を持っているのだろうか。

よくわからないまま飛行機は青島を後にして、最終目的地、北京へ向かう。